本書は、自分のやりたいことを見つけるための具体的な手法を提案する一冊です。
「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」という3つの要素を明確にすることで、人生の方向性を論理的に導き出します。
やりたいことが見つからず迷っている人にとって、本書は自己理解を深めるきっかけとなるでしょう。
以下では、3つの考察ポイントをもとに本書の内容を掘り下げていきます。
考察① やりたいことが見つからない理由
やりたいことが見つからない理由として本書では、「定義がない」ことを挙げています。
多くの人は漠然とやりたいことを考えるものの、それを言葉で明確に表現することができません。
やりたいことを明確にするには、「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つの要素を理解し、具体的に定義することが必要です。
たとえば、好きなことは「興味を持てる分野」、得意なことは「自然と成果が出るスキル」、大事なことは「人生の価値観」を指します。
これらを組み合わせることで、自分が心から望むやりたいことの姿が見えてくるのです。
考察② 大事なことと目標の違い
「大事なこと」はやりたいことを見つける上で重要な指針となります。
大事なことは、価値観とも呼ばれ、自分が人生や仕事において重視する方向性を示します。
これを目標と混同することが多いのですが、本書では明確に区別されています。
たとえば、「月に100万円稼ぐ」というのは目標ですが、それを実現する理由が「自由に生きるため」なら、それが価値観となります。
また、価値観が本物か偽物かを見極めることも重要です。
「~したい」という内発的な動機が本物の価値観であり、「~すべき」という外部からの影響によるものは偽物の可能性があります。
自分の本当の価値観を掘り下げることで、やりたいことの方向性をより明確にできます。
考察③ 得意なことと好きなことの見つけ方
得意なことと好きなことは混同されがちですが、本書ではこれらを別々のものとして捉えています。
得意なことは無意識に成果が出るスキルや行動パターンを指し、好きなことは興味を持てる対象や分野のことです。
得意なことを見つけるには、これまでの成功体験や充実していた瞬間を振り返ることが有効です。
たとえば、「人の話を聞くのが得意」と感じる人は、それが自然と成果を生むスキルかもしれません。
また、短所を長所として捉え直す方法も紹介されています。
一方で、好きなことを見つけるためには、「お金を払ってでも学びたい分野」を考えることが有効です。
これにより、本当に情熱を持てるものを明確にできます。
まとめ
本書は、「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つの要素を論理的に組み合わせることで、自分のやりたいことを明確にする方法を提案しています。
価値観と目標を区別し、本物の価値観を見つけることで、人生の方向性を見失わずに進むことが可能です。
また、得意なことや好きなことを振り返ることで、自分の適性や情熱を再発見できます。
これらのプロセスを通じて、自己理解を深めることができる一冊です。
やりたいことがわからず迷っている人に、ぜひ手に取ってほしい本と言えるでしょう。